魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【12次正規相愛魔方陣累乗体の共通構造】

さて、12次正規相愛魔方陣の累乗体たちは前回、紹介した「折り畳み構造」以外にも多くの構造を共有しています。今回はその代表的な事例をもう一つとりあげたいと思います。

さっそくですが、こちらをごらんください。

 

mahoujin.hatenablog.com

 

おぼえていますか。これは波紋構造の2型と呼ばれるものです。このシンメトリックな柄を正規相愛魔方陣に被せると、

はい、このようになります。ここで注目してもらいたいのは各色グループごとの総和です。これらは以下のように簡単な比であらわすことができます。

。どうですか。なんと、連続する1〜5の自然数のみで表現することができる。そして、この比は各色グループを構成している格子数の個数の比とも一致しているのです。

波紋構造2型を通して炙り出されたこのような美しい構造は、じつは正規相愛魔方陣にのみ潜在しているわけではありません。意外なことにオールaの格子体(すべて同じ数から構成されている格子体)やプレーン超格子体(1〜144の数を順番にならべただけの格子体)についてもこのような構造は装備されています。

さて。それではこの事実を踏まえた上で、わたしたちは正規相愛魔方陣を2乗してみたいと思います。

ここで用いる演算は行列の積となります。

じっさいにこれを計算すると、

はい。このような内部格子数の格子体を得ることができます。こんなものをつくって何をしようというのか。

はい。この波紋柄を適用してみるのです。この柄を2乗体に上から覆いかけると、

はい、こうなります。では色分けされたグループごとに総和をとってみることにしましょう。

そして、ここにあらわれて数たちを簡単な比に直すと、

はい、どうでしょう。ここでもまたがあらわれました。そして、この比は色分けされたグループごとの格子数の個数の比とも一致します。

さあ、波紋構造を通して正規相愛魔方陣の1乗体と2乗体がある意味では同構造を持っているということが明らかとなりました。では、ここでみなさんに質問です。

正規相愛魔方陣3乗体に波紋構造2型を適用するとどうなるか? はたしてそこにもシンプルな比があらわれうるのか? 

正解はコチラの動画(↓)にて。


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