今回は5次正規相愛魔方陣の「たて」方向にならぶ数たちは「ある手法」を用いることによって驚くべき姿へと変えられうるというお話をします。
「ある手法」とは何か。
はい。プレーン超格子体変換です。これがいかなる操作であったか忘れてしまったとしても、ご安心ください。むつかしいことはなにもありません。いいですか。正規相愛魔方陣の「たて」の1〜5列目にならぶ五数をそれぞれ、プレーン超格子体(1〜25の数をただ順番にならべただけのもの)の中で見るとどうなるかということをしらべてゆくだけのことです。
はい。これで完了。一覧してみましょう。正規相愛魔方陣の「たて」のラインは、プレーン超格子体においてはそれぞれ以下のように表現されることになります。
まずもって興味深いことはこれらプレーン超格子体に浮かび上がった柄の集合体が、わたしたちがよく知るところの五分割柄となっているということです。
つまり、この同じ一つの柄によって正規相愛魔方陣とプレーン超格子体とはともに等しく五分割(格子数の個数においても、総和においても)されるということです。さて、ではそんなプレーン超格子体変換柄について、さらなる変換をこころみてゆきます。まずは数たちをどかして柄だけにします。
そして、これからこころみるのはイチゼロ変換。そうです。プレーン超格子体変換はイチゼロ変換と併用すると威力を増します。
わかりますか。色付き格子には1を、それ以外には0をセット。イチゼロ変換とはただそれだけのことです。いったいこんなことをして何が嬉しいのか。はい、嬉しいことが起こっているか、いないかはこれらのイチゼロ変換体を累乗することによって明らかとなるでしょう。いいですか。ためしに左端のイチゼロ変換体を行列の積で2乗してみることにします。
はい。ごらんください。ここで生成されたのは「ななめ」一直線に1がならぶ行列。いわゆるこれは単位行列と呼ばれるものです。
単位行列は数の世界における1に相当するものです。1を何乗しても1であるように、単位行列は何乗しても単位行列。また1にどんなAをかけてもAは姿を変えずにAのままであるように単位行列にどんな正方行列Aをかけても正方行列Aは姿形をいっさい変えることはありません。
なぜ、ここに唐突に単位行列があらわれたのか。偶然なのでしょうか。いや、驚くべきことに他のイチゼロ変換体についても調べてみると、これらはすべて2乗することによって単位行列になる格子体であることが判明します。
5次正規相愛魔方陣の「たて」→プレーン超格子体変換→イチゼロ変換体はいずれも例外なく単位行列2乗根体である。要約するとこのように述べることができるでしょう。しかし、この事実。壮大なる全景の断片にすぎないのです。