魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【単位行列原始8乗根体の生成法:その2】

さて、9次正規相愛魔法陣を個数においても総和においても均等に9分割する方法としては次のようなものがありました。

よこ分割3×3ブロック分割たて分割。色分けされた各グループ内の総和はいずれも369という数となります。しかし、忘れてはいけません。これと類する分割法は他にもう一つ、わたしたちは知っています。

はい。こちらです。見たところ、色がバラバラに散らかっていてわかりにくいかもしれませんが、柄の構造をチェックしてみると、

はい、小ブロック(3×3)を単位として、それが九つ並べられているものととらえることができます。わたしたちはこれをチラシ分割と呼ぶことにしましょう。

さあ、新たなる考察の対象が見つかりました。このようなものを前にして、何をするのか。迷ったら、とりあえずプレーン超格子体変換をこころみましょう。

はい、正規相愛魔方陣の色柄をプレーン超格子体(1〜81の数をただ順番にならべただけのもの)に移し替える操作をやってゆくわけですが、

ここでは特にブルーに注目してやってみることにしましょう。

このブルーの九数がプレーン超格子体の中のどこにポジショニングされているかしらべてみると、

はい。このような柄が浮かびあがりました。美しい柄だとはお世辞にも言えません。これだけの事実なら、だからどうした、ということになりますが、プレーン超格子体変換はイチゼロ変換とセットにすると強力にちからを発揮します。わかりますか。ここにあらわれた柄の、柄だけを抽出し、色付き格子には1をそれ以外には0をセットし、それを行列の積によって累乗してゆく。そのプロセスの中で単位行列になれば、わたしたちの勝ち。そういうことをやってゆきます。じっさいにイチゼロ変換体を累乗してゆくと柄は次のように遷移してゆきます∙∙∙

はい。1が一直線乗にならびました。これがわたしたちの見たかったものです。イチゼロ変換体は8乗することによって単位行列のかたちに変貌する。つまり、その正体は単位行列原始8乗根体だったということが明らかとなりました。

では、のこりのイチゼロ変換体は、どうなのでしょう。驚くべきことにここにならんでいるイチゼロ変換体たちもまた、いずれも一つの例外もなく単位行列原始8乗根体なのです。このようなこととまったく光景をわたしたちは前回も見たはずです。

 

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