今回はインバース体の回転体ファミリーを通して、これら四つの格子体の関係性を見てゆきたいと思います。
※これらの格子体の詳細についてはこちらの動画をご参照ください。
まず、カルロスsを例にとって回転体ファミリーとはなにかということを説明しておきますと、
このように本体を0度回転体として時計回りに90度づつ回転させたものとなります。このような変換に対してもそれぞれの回転体は対称魔方陣構造、完全魔方陣構造、そして正規相愛魔方陣構造を維持します。
カルロスsの他、マリアs、ミゲルs、ホセsの回転体ファミリーはこのようなものとなります。このような回転体ファミリーという概念を導入することによってどんなメリットがもたらされるか? はい、わたしたちはこれをもとにさまざまな恒等式を記述することができるようになります。簡単な例からはじめましょう。
用いるのはカルロスsの0度回転体と180度回転体。これら二つの格子体を行列の積でかけあわせてみることにします。
ここで生成された格子体。偶然なのかなんなのか、じつはマリアsの2乗体とまったく同じ内部構成を持っていることがわかります。
つまり、カルロスsとマリアsの関係は、
このように記述できるというわけです。さて、ひとたびこのような関係性を見つけたならば、カルロスとマリアの役割を入れ替えてみることをおすすめします。これまでの経験則からこのふたりは同等の力を有しているということをわたしたちは知っています。
じっさい、このような等式もまた成り立っているのです。いや、ここで見ている等式において、カルロスとマリアをミゲルとホセと読み替えても∙∙∙
どうでしょう。まったく同一の形式で関係性を記述することができます。さて、調べてゆくと、これを発端としてかれらの回転体ファミリーたちの間にはじつに奇妙にも美しい関係性の糸がはりめぐらされていることがわかってきます。興味のある方はぜひコチラ(↓)の動画をごらんなってみてください。