今回は5次正規相愛魔方陣2乗体という概念をより拡張された観点からとらえなおしてみたいと思います。
おぼえていますか。前回、わたしたちはこの正規相愛魔方陣同士を行列の積でかけあわせ、2乗体を構成し、そこに奇妙な紋様があらわれるという事実に遭遇しました。
同数によって塗り分けられたこの柄は今後もたびたび出現することが予想されますので、ぜひ、この機会に頭にやきつけておいてください。さて。ここで正規相愛魔方陣の回転体ファミリーにご登場願います。
これらはそれぞれ正規相愛魔方陣を時計回りに0度/90度/180度/270度回転させたものとなります。では、まずはこの中から、
180度回転体をチョイスすることにしましょう。これをどうするのかというと行列の積で2乗します。
はい。このように同じもの同士をかけあわすということですが、この計算を実行すると以下ような格子体が生成されます。
どうでしょうか。内部の格子数たちをじっくりとごらんください。なにか気づくことはありませんか。
はい、同数ごとに色分けして見ました。もうこれでおわかりでしょう。
そうなのです。0度回転体×0度回転体と180度回転体×180度回転体はまったく同じ格子体を生み出すのです。まあ、この事実は同数構造柄が180度回転対称性を有しているので予想できる方には予想できたかもしれません。では、この事実を踏まえた上で、
今度は0度回転体と180度回転体という異なる回転体同士を行列の積でかけあわせてみたいと思います。
はい、0度回転体×180度回転体はこうなります。さて、ここで一つ注意点。行列の積という演算は非可換。つまり積の順序を入れ替えると異なる結果を生むことがありますので、
0度回転体×180度回転体の積順を入れ替えた180度回転体×0度回転体のパターンも同時にたしかめておきたいと思います。
はい。何が起こったかわかりますか。二つの結果をならべてみることにしましょう。
これら二つの積の結果をようくみくらべてみてください。両者の内部格子数はなにからなにまで同じ。瓜二つ。しかも、重複する数ごとに塗り分けると、
どうでしょう。ここでもまた同じ模様が浮かびあがってくるのです。回転体ファミリーを介したこのような不思議な恒等式は、これ以外にも数多く見出せます。興味のある方はコチラ(↓)の動画でチェックしてみてください。