今回は5次正規相愛魔方陣の2乗体の構造を解剖していきたいと思います。
ということで、さっそくこの正規相愛魔方陣を行列の積で2乗してみることにしましょう。
すでにわたしたちは3乗体が正規相愛魔方陣の相愛力構造を保存しているという事実をたしかめています。
しかし、その際、2乗体の構造の調査をすっぽかしていました。ここであらためてじっくりとこの格子体の内部をためつすがめつしてみたいと思います。まず、興味深いこととして∙∙∙
はい。わかりますでしょうか。2乗体の内部格子数には重複する数が以上のように出現しています。それらは不自然なほど規則的な配置を有しているようです。詳細に見ていくことにしましょう。まず柄だけに注目することにします。
この色模様がもつ対称性は、この格子柄をまるごと180度回転させてみるとわかります。
どうでしょう。天地をひっくりかえすともとどおり。つまり、この柄は180度回転対称性を有しているということです。
しかし、この柄がもつ構造の妙味は、じっさいに数を入れることによっていや増します。まずは「よこ」方向にそって見ていきます。
わかりますか。どの行においても、725と965が二個づつ、そして845が一つという構成になっています。ですから当然、各行の総和は一致することになります。では「たて」方向はどうなっているでしょうか?
見てください。このように方向転換しても五本のラインを構成する数たちの組み合わせは変わりません。これはちょっと驚くべきことではないでしょうか。では、最後に「ななめ」についてもチェックしてみます。
ごらんのとおり、ここにならぶ五数の構成はそれぞれ異なってます。ブルーの対角線ラインについては、これまでも見た725と965が二個づつ、そして845が一つという同構成になっていますが、ピンクの対角線ラインには、ずらりと845という数がならんでいます。そして重要なのは、どちらの五数総和も4225(1乗体の魔方陣定和である65の2乗数であることに留意されたい)という数になるということ。
つまり、わたしたちが見ているものは「たて」「よこ」「ななめ」の総和が等しい魔方陣構造ということになります。ちなみに「ななめ」の五数同士は2乗数総和以降は不一致となるので通常の魔方陣構造どまり。正規相愛魔方陣3乗体における「ななめ」の五数同士が有している相愛力∞とは比ぶべくもありませんが、それでも特筆すべき事実としてここに記録しておきたいと思います。