魔方陣の数学

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【5次正規相愛魔方陣:五分割構造】

今回は5次正規相愛魔方陣の「五分割構造」をご紹介します。さて「五分割構造」と聞いてまっさきに思い浮かぶのが∙∙∙

はい。正規相愛魔方陣を「たて」あるいは「よこ」方向に五分割する方法です。このような分割は格子数の個数(全25個)を均等に五等分する方法であり、かつ、格子数の総和を五等分する方陣は「たて」「よこ」の各ラインの五数総和が一致することに留意)、大変にうまい方法です。

さて。では、このように格子数の個数においても格子数の総和においても同時に五等分する方法はこの二つの分割法に尽くされているかというと、けっしてそうではないのです。こちらをごらんください。

はい、じつはこのように「ななめ」ラインをベースに五色分割したものも先の分割法と同等の力を発揮します。じっさい、これらの柄を正規相愛魔方陣に重ねると。それぞれの色格子の総和は、かならず65となります。では、この事実を踏まえた上で、正規相愛魔方陣を行列の積で3乗してみることにしましょう。

そして、この正規相愛魔方陣3乗体に五分割構造の一つを重ねてみます

はい、重ねました。正規相愛魔方陣3乗体は各色によって五つのグループに分けられました。では、これらのグループごとに格子数の総和をとってみます。すると∙∙∙

はい、ごらんください。それぞれの総和はみごとに一致しています。しかも、ここにあらわれる274625という数この数は正規相愛魔方陣の定和(「たて」「よこ」「ななめ」の総和)である65の3乗数として記述することができます。

行列の積の3乗が、通常の数の世界の積の3乗と対応している。このようなことはなかなか起こりうる話ではありませんが、いま見ている柄を左右反転させたもう一つの五分割構造

これを正規相愛魔方陣に重ねてみても

グループ内格子数総和として生成されるのは、さきほどまで見ていたものと同じ数、274625。つまり65の3乗数があらわれることになります。

正規相愛魔方陣の中に潜在する「五分割構造」。この柄は、またいずれどこかで大活躍することが予想されます。ぜひ、この機会にお見知りおき願えればと思います。


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