さっそくですが、こちらの格子体をごらんください。
サイズは5×5。ここには1〜25の自然数があますところなく使われています。いったいこれは何か?
まず、この格子体の「たて」「よこ」「ななめ」の総和をとると、いずれも65という数で一致。よって、これは魔方陣であることがわかります。しかし、問題はここから。さらにわたしたちは「ななめ」の二つのラインに注目します。
はい、このブルーの五数とピンクの五数。これらの関係はたんに総和が一致するばかりでなく、
そうなんです。調べてみると2乗数も一致することがたしかめられます。
ちなみに3乗数の総和は一致しません。さて「たて」「よこ」「ななめ」の三方向の中で「ななめ」がぬきんでて相愛力が強い構造。これまでわたしたちはこのような構造を正規魔方陣構造と呼んでおりました。
しかし、この事実だけをもってして、この魔方陣を正規相愛魔方陣として扱ってよいか、即断するのは慎重にならなくてはなりません。はい、正規相愛魔方陣の要件としてはもう一つ。「3乗体における構造不変」という特筆すべき性質がありました。はたしてこの魔方陣にそのような性質がそなわっているか、という点もチェックしておかなくてはなりません。
はい、このように魔方陣を行列の積によって3乗します。興味深いことに、このようにして生成された3乗体についても「たて」「よこ」「ななめ」の総和をとると、すべてのラインにおいて274625という同一の数があらわれることがたしかめられます。
つまり、この魔方陣は行列積で3乗しても魔方陣構造を保つ、ということです。これはこれで十分にすごいことですが、正規相愛魔方陣たる資格を有しているかという点ではまだ不十分。問題は「ななめ」ラインの相愛力。
このブルーとピンクの四数の関係が4-4相愛数❤︎❤︎であることが確認されてはじめて、わたしたちはこの魔方陣を正規相愛魔方陣として認定することができます。じっさい、チェックしてみますと∙∙∙
はい、どうでしょうか。残念ながら、1乗数総和は一致するものの、2乗数総和はブルーとピンクにおいて異なる数が生み出されています。
よって、この時点で、いま見ているこの魔方陣を正規相愛魔方陣として扱うことに「待った!!」がかかりました。そうなのです。この魔方陣は擬正規相愛魔方陣と呼ばれるものとなります。
では、5次の魔方陣の世界には正規相愛魔方陣は存在していないのでしょうか?