魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【正規相愛魔方陣3乗体の構造不変性】

さて、今回は4次正規相愛魔方陣累乗体の構造上、もっとも重要なことをお話しさせていただきます。

すでにわたしたちは、この格子体の2乗体が、もともとの正規相愛魔方陣(1乗体)の構造の一部を引き継いでいることを知っています。

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「たて」「よこ」において四数総和が一致。つまり「弱い魔方陣構造」です。ここであらためて強調しておきたいことは「ななめ」の四数総和は一致しないということです。

では、この事実を踏まえた上で、こんどは正規相愛魔方陣の3乗体を構成してみることにしましょう。

はい、正規相愛魔方陣を三つ、このように行列の積でかけあわせます。すると、結果はこうなります。

正規相愛魔方陣3乗体の内部格子数にご注目ください。みごとにバラけています。同じ格子数が重複して存在している、ということもないようです。

さて、このような3乗体は「行列の積」という複雑な演算を2度も経由しているのですから、内部構造は崩れに崩れてしまっている、と思ってしまいがちですが、けっしてそんなことはありあません。この3乗体の魔方陣チェックをしてみますと、

はい、「たて」「よこ」「ななめ」の四数総和はすべて39304という数で一致していることがたしかめられます。そしてこの39304という数は何であるか?

はい、34の3乗数。34というのは、いうまでもなくもともとの正規相愛魔方陣(1乗体)の定和(「たて」「よこ」「ななめ」の四数総和)です。つまり、

正規相愛魔方陣3乗体は「弱い魔方陣構造」ではなく、通常の魔方陣構造を有している、ということがこの時点で明らかとなりました。いや、それどころの話ではありません。3乗体の「ななめ」の二つのラインに注目しましょう。

先にもたしかめたとおり、この対角線にならぶ四数総和はともに39304。いいかえると、ここに発現している相愛力は1ということになります。

では、ここでブルーとピンクの各四数を2乗してから総和をとってみることにします。すると、どうなるかというと、

そうなんです。ちゃんと一致しているのです。ちなみに3乗数総和は一致しませんので、相愛力は2と確定されます。

はい、わたしたちがここで見ているものは、正規魔方陣構造。なんとオリジナルの1乗体の構造をそのままのかたちで受け継いでるのです。


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