魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【4次アバラ魔方陣の構造】

さて、4次魔方陣は連結線模様によって分類すると12のタイプに分け切ることができますが、その中の❶型(完全魔方陣)から❸型(対称魔方陣)については行列積2乗体において連結数同数化現象というものが引き起こされることを見てきました。

 

こうなってくると❹型以降においてもこのような同数化現象が起きているのではないか、と期待は高まりますが、現実はそううまくはゆきません。結論からいいますと、行列積2乗体において連結数同数化現象が起きるのは❶型❷型❸型のみとなります。では❹型以降の連結線型については行列積累乗体において何も目覚ましいことが起きないのか、というとけっしてそういうわけではありません。

 



 

そのことについて見てゆくために今回は❹型にフォーカスします。驚くべきことに、やはりここにも強力きわままりない構造が組み込まれているという事実を確認したいと思っています。さて❹型は全部で96種もあるのですべてはお見せしません。その中から一つサンプルを選んでみました(どんなものを選んでも可)。

 

このタイプの魔方陣の連結線はまるでアバラ骨のような形状をしていまうので、アバラ魔方陣とでも呼んでおくことにいたしましょう。では、さっそくこれを行列の積で2します。

 

では、連結線にそってこの2乗体の構造を見てゆくことにます。まず、連結数2数において同数化が起きていないことは、この二つの格子数を見ただけで判明します。

 

連結線構造は崩れてしまっているのか∙∙∙。しかし、ここであきらめてはいけません。観点を変えて、二つの格子数を足し合わせてみたいと思います。

 

二数総和には578という数があらわれます。じつはこの数は、この2乗体にとってキーナンバー。というのも、以下をごらんください。

そうなのです。オリジナルの1乗体の場合と同様に、連結線によって結ばれた二数総和は、いずれも等しくなるということがここでは起こっています。

いや、このような構造継承は、2乗体ばかりでなく、3乗体4乗体5乗体∙∙∙、とあらゆるn乗体においてもたしかめらることのようです(未証明)。

 

そして、これと類する構造継承は、アバラ魔方陣(❹型)以外にも、❺型と❻型の魔方陣においても見出されるようなのです。(反例があればお知らせください)

 




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