魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【魔方陣をサイズダウンする不思議な方法】

さて、5次の魔方陣世界には、対称方陣であり、かつ、完全方陣であり、さらに正規方陣である魔方陣が全部で4種存在していました。今回は、このような5×5の大きさの魔方陣を4次(4×4)の大きさにサイズダウンする方法をご紹介したいと思います。

サイズダウンする方法はいくつも考えられますが、ここでは総和凝集という手法を用いることにします。やり方は簡単です。Ⅰ型を例にとり、じっさいにやってみせましょう。

まずはⅠ型の魔方陣の左上隅にある内包格子ブロック(2×2)の四数である2と14と23と10という数をぜんぶ足し合わせた49という数をを空っぽの格子体(4×4)の左上隅に書き入れます。次に、

 

Ⅰ型の魔方陣の内包格子ブロック(2×2)の位置を一つずらし、同様に四数総和(14+21+10+17=62)をとり、それを空っぽの格子体の中の対応する格子の中に書き込みます。というように、以下、同様のことをつづけてゆくだけ。

 

 

これをすべて実行すると、空っぽの格子体の中にすべて数を埋めきることができます

ここでは四数総和という演算を採用していますが、四数交代和四数積など他にもさまざまな演算を用いることにより、さまざまな凝集体を得ることができます。

 



さて、ここでわたしたちが手に入れたものは方陣Ⅰ型の総和凝集体ということになりますが、興味深いことにこのような変換をこころみても、ある種の構造保存が行われる、という事実をここにお示ししたいと思います。

いま、見ている総和凝集体を4次の正方行列とみなし行列式を計算すると-14400という値が求められます。さて、前回、Ⅰ型とⅡ型の間には行列式における共鳴現象が起こるということを紹介しました。では、Ⅱ型についても総和凝集をこころみ、同様にその行列式を求めてみるとどうなるか?

過去記事はりつけ:【対称・完全・正規相愛魔方陣行列式(4×4)共鳴】

はい、そうなんです。ここでも行列式-14400という結果が求められます。偶然なのでしょうか? こうなると、気になるのは、のこりのⅢ型とⅣ型の総和凝集体行列式がどうなっているのか。気になるよ、という方はぜひこちらの動画(にてチェックしてみてください。

 


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