魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【正規相愛魔方陣の剰余構造】

さて、現在、わたしたちが知るところの正規相愛魔方陣は次の二つです。

4次(4×4)正規相愛魔方陣と8次(8×8)正規相愛魔方陣。サイズも、ベースとなる相愛力も異なる二つの魔方陣ではありますが、じつは剰余の世界からみると、不思議な共通点があります。

どういうことか?
4次正規相愛魔方陣の内部の格子数を偶奇によって分割してみることにしましょう。

はい、どうでしょう。奇数を赤、偶数を青で色分けしましたが、なにやら規則的な柄があらわれました。同じことを8次正規相愛魔方陣でもやってみることにします。

こちらはシンメトリック(左右対称)な柄があらわれました。しかし、気づくことはそれだけでしょうか。ようく見てください。この柄を小さなブロック(4×4)に分割してみると、

はい、基本構成単位は、共通しているようです。じつはこの4×4の柄は正負反転体の中に見出すことができます。

はい、12型の柄と同じです。8次正規相愛魔方陣にあらわれる柄は、この12型とその色反転型が組み合わされて構成されている、ということがわかります。なかなか興味深い事実ですが、ここで偶奇の柄をさらに細かく分割してみることにしましょう。

はい、ここまでは2でわったあまりの数で色分けを行なってきたわけですが、今度は、4でわったあまりの数で色分けをしてみることにします。どうなるかというと、4次と8次の正規相愛魔方陣で、それぞれこうなります。

なにをやってるかわかりますか? 内部格子数を4でわると、あまりは0(青)か、1(赤)か、2(紫)か、3(緑)かの四通りのパターンのいずれかになる。それを視覚的にあらわすと、

このような柄が浮かびあがってくるということです。さて、一見するとわかりずらいですが、これら二つの柄にはある奇妙なる共通点があります。どういうことか? プレーン超格子体を用意しましょう。

それぞれ4次のプレーン超格子体と、8次のプレーン超格子体。これらはただ連続する自然数を順番にならべただけの内部構成をもっていますが、これに先の二つの柄を適用すると∙∙∙

はい。被せてみました。こんなことをして何が嬉しいのか? いえいえ、じっさい、嬉しいことが起こっているのです。それぞれの色グループごとに総和をとってみるとわかります。まずは4次のプレーン超格子体の方から見ていきましょう。

はい、赤グループも、紫グループも、緑グループも、青グループも、それらに属する四つの格子数の総和は34できれいに揃っています。では、次に∙∙∙

はい、8次のプレーン超格子体についてもまったく同じことが起きています。つまり、これらの柄は、プレーン超格子体の総和をきっかり四分割する機能を果たすということです。