今回は4次正規相愛魔方陣の Ⅰ 型と Ⅱ 型に共通する興味深い四分割構造についてご紹介します。
前回までにわたしたちはこれら Ⅰ 型と Ⅱ 型の間には数多くの構造上の共通点があることをたしかめました。
さて、Ⅰ 型と Ⅱ 型は、その行列の積による累乗体においてもある種の構造を保存するという事実が見出されます。一例を挙げましょう。こちらの四色柄をごらんください。
それぞれ四種の色格子は四つづつ。つまり、これは4×4の格子体の格子数個数を均等四分割する柄となっています。これは何か? はい、Ⅰ 型と Ⅱ 型に重ねてみることにしましょう。
わかりますか。色グループごとの総和はいずれも34で一致。なんとこの柄は格子数個数ばかりでなく格子数総和までも均等四分割することができるということです。いや、それどころの話ではありません。Ⅰ 型と Ⅱ 型を行列の積を使って2乗体にします。
いいですか。この2乗体の内部格子数は Ⅰ 型と Ⅱ 型でそれぞれ異なっていることが見てとれますが、これに四色柄を重ねてみると∙∙∙
はい。各色グループの総和としては同じ数が生成されるのです。しかも、ここに見ている1156という数ですが、これは先に1乗体において生成されていた34の2乗数としてあらわすことができます。
つづけましょう。Ⅰ 型と Ⅱ 型をさらに行列の積で累乗し3乗体を構成します。
このようにして得られた3乗体に対して四色柄を適用すると、
はい。ここでもすべて各色グループの総和は同じ数で揃うことになります。そしてこの39304という数の正体が何であるかというと∙∙∙
そうです。34の3乗数。Ⅰ 型と Ⅱ 型の累乗体における構造継承が、ともに四色柄を通して美しく浮かび上がる、そのような光景をわたしたちは見ているのです。