魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【正規相愛魔方陣2乗体の左右入替体】

今回は4次正規相愛魔方陣の2乗体の知られざる構造の秘密を明かしていきたいと思います。

まずは正規相愛魔方陣の2乗体がどんなものであったか思い出しておきましょう。

ここで注意したいのは正規相愛魔方陣を二乗する際に用いられる積は「行列の積」という演算だということです。

さて、このようにして生成された2乗体ですが、オリジナル(1乗体)の構造の一部を引き継いでいることは過去に紹介しました。

mahoujin.hatenablog.com

 

はい。「たて」「よこ」の総和は1156で一致。ちなみにこの1156は34(1乗体の魔方陣の定和)の2乗数となっています。

ですが、よく見てください。この魔方陣にはキズがあり「ななめ」方向の二つのラインについては総和は不一致。魔方陣としては致命的なキズです。ただ、このようなものを欠陥品として完全に打ち捨ててしまうにはあまりに惜しいということで、わたしたちは上記のような構造を「弱い魔方陣構造」と呼ぶことにしたのでした。



さて、既にわたしたちは正規相愛魔方陣3乗体においては魔方陣構造の強度は維持され1乗体から正規魔方陣構造をそのままのかたちで引き継いでいることを知っています。その事実を踏まえると2乗体におけるこの構造上のキズはやはり気になるところです。

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はい。じつはこの2乗体は構造上のある重要な秘密を隠しているのです。

どういうことか。この2乗体をこのように真っ二つに割ってしまいましょう

いいですか。「たて」に分割することが肝心です。「よこ」方向に割ってもこれから述べるようなことは起こりません。ではでは。ここで二分割された二つのブロックを∙∙∙

はい、左右で入れ替えます

そして、これを何事もなかったかのように、ふたたび、くっつけます

これで完了。いったいこんなことをして何が嬉しいのか。はい、嬉しいことはちゃんと起こってくれています。まず「たて」「よこ」方向にならぶそれぞれ四数の総和をとってみることにします。

すべて1156という数で一致しています。入替前の魔方陣と本質的な四数の構成は変わりませんから、まあ、これは自明な事実と言えます。しかし、自明でないことは「ななめ」方向において起こります

はい。この「ななめ」に走るブルーとピンクのラインにご注目ください。ここに並んでいる四数たちはどのような関係にあるかおわかりですか?

そうなんです。ブルーとピンクで四数の構成はまったく同じになってしまいました。つまり、わたしたちがここで見ているのは相愛力∞の4-4相愛数ということになります。

 


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