魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【8次正規相愛魔方陣3乗体における構造不変性】

今回は8次正規相愛魔方陣のもっとも特筆すべき性質についてお話します。

さて、わたしたちは過去に4次正規相愛魔方陣について3乗体における構造不変というものを目にしています。

 

mahoujin.hatenablog.com

 

今回は同じことを8次正規相愛魔方陣でチェックしてみようと思います。ということで、この魔方陣行列の積で3乗してしまいます。

はい。手計算ではとてもやる気がしないでしょう。結果をお見せします。こうなります。

どうでしょう。3乗体の内部をじっくりごらんください。小さい数字が所狭しと詰め込まれ、一見、カオスのような状態を呈しているように思えますが、じつは、これらの「たて」「よこ」「ななめ」の総和をとってみると、

はい、なんとすべて一致しています。つまり、方陣構造は少しも崩れていないのです。

いや、3乗体がオリジナルの1乗体から引き継いでいる構造はそれだけではありません。そもそも8次正規相愛魔方陣は二重魔方陣をベースにしていたことをここで思い出しましょう。3乗体においても二重魔方陣構造が維持されているかチェックです。「たて」「よこ」「ななめ」にならぶ各八数を2乗してから総和をとります。すると、

どうでしょう。ここにあらわれる数はすべて38617198297600完全に一致しています。よって、3乗体もまた二重魔方陣構造を有していることが判明しました。

ここで満足してしまいそうですが、まだ調査の手を緩めてはなりません。「たて」「よこ」「ななめ」の20本のラインの3乗数総和は全体として一致はしませんが、「ななめ」の2本だけに限定してみてみると、

はい、ちゃんと一致しているのです。この事実が何を意味しているのか?

そうです。わたしたちは正規魔方陣構造を目にしているのです。行列の積という演算を2度も経由しているにもかかわらず、オリジナルの相愛力構造をみごとに引き継いでいる。素晴らしいの一言です。


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