さて、プレーン超格子体と3次魔方陣にくわえ、新たに超格子体ゲバールを仲間にくわえたこれら三つのトリオ。外見はそれぞれまったくといっていいほど異なりますが、じつはこれらはある観点からみると、とても近しい関係にあることが判明します。どういうことか?
まずはこの3次魔方陣から見てゆくことにしましょう。過去にわたしたちはこの魔方陣の回転体たちが次のような美しい関係で結ばれうるという事実を確認しています。
そして、この回転体ファミリー恒等式の形式(骨格)は、驚くべきことに魔方陣をプレーン超格子体に入れ替えても、そのまま成立するというきわめて強靭なものでした。
では、この事実を踏まえた上で、ゲバールの回転体ファミリーたちにも登場していただくことにします。
はたして、上述した回転体ファミリー恒等式はゲバールをも受け入れる強靭さがあるか否か、知りたいのはそこです。しらべてみましょう。
はい、ごらんのとおり、左辺(上式)と右辺(下式)とは異なる結果をなしています。回転体ファミリー恒等式もさすがにそこまでは寛容ではなかった、ということになりそうですが、ここで生成された二つの格子体をよくよく見てみると興味深いことが起きていることに気づきます。
二つを並べて、見比べてみましょう。二つの格子体は、たがいにまるで鏡に映しあったかのような姿をしているではありませんか。つまり、両者は鏡像(左右反転)関係にあるということです。さて、二つをたがいに相互変換する変換行列は以下のようなものとなります。
ここに示されている変換行列は二乗すると単位行列になります。単位行列は数の世界でいうところの1になぞらえることができます。その点からいうと、二乗して1になるようなものは-1。よって、二つの格子体の関係はここでは正負反転関係ととらえることも可能でしょう。
はい、あらためて超格子体ゲバールの回転体ファミリー恒等式はこのようなものとなります。プレーン超格子体と3次魔方陣のそれらと並べるとなかなかに壮観です。