今回は3次魔方陣の配列の絶妙さを行列の積を通してみてみたいと思います。
さて、この魔方陣には、次のような回転体ファミリーというものが存在しています。
それぞれ時計回りに90度×nづつ回転させたものとなりますが、今回はこの中から、
これら0度回転体と180度回転体の二つを選び、行列の積でかけあわせてみたいと思います。
面白いはこの積合成格子体がたった二種類の59と83のみから構成されているということです。
このようなことは2乗体(0度回転体×0度回転体)においても起きていたはずです。
しかし、今回、お話ししたいことはそのようなことではありません。次にわたしたちは0度回転体と180度回転体の積の順序を変えて、180度回転体と0度回転体の行列積をとってみたいと思います。いいですか。行列の積というのは通常の数の演算とは異なり、
積の順序を入れ替えると、同じ結果を約束しません。ところが3次魔方陣の場合においては、
ここで生成されている結果をよくよくごらんください。
そうなんです。3次魔方陣においては0度回転体×180度回転体=180度回転体×0度回転体という美しい関係を示すことができるのです。相異なる九数を用いた3×3の格子体において、このような関係を成立させるのはめったにないことでしょう。ためしにプレーン超格子体でやってみると、
ごらんのとおり、両積の結果は異なるものとなります。どうでしょう。魔方陣の妙技、堪能いただけましたでしょうか。