魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【対称・完全・正規相愛魔方陣と単位行列】

さて、5次の魔方陣世界には、対称方陣であり、かつ、完全方陣であり、さらに正規方陣である魔方陣が全部で4種存在していました。今回は、これらと関与しあい、特別な役割を果たす不思議な格子体たちについてのお話となります。

一つ目はコチラとなります。とりあえず、謎の格子体ミステリアスXYと名付けておくことにしましょう。内部格子数は分数だらけ、しかも正の数と負の数が入り混じるというカオスぶりが見てとれます。しかし、このようなイカつい外見にもかかわらず、Ⅰ型の魔方陣行列の積でかけあわせることによって

どうでしょう。ごらんのとおり、大変にスッキリとしたかたちになります。さて、行列の積というのは、積の順序を入れ替えると結果が同じになることを約束しない演算でしたが、このケースにおいては、

はい。謎の格子体ミステリアスXYを先頭にもっていきても結果は変わりませんななめラインに1が直線上にならび、それ以外は0という格子体が生成されます。いくらか線形代数の知識がある方はもう気づかれていると思いますが、これは単位行列と呼ばれるものです。

 

単位行列はいわば数の世界における1に相当するものです。つまり、ここで生成された格子体は行列の積で何乗しても姿を変えません。また単位行列に対して、後ろから前からなにをかけあわせようとも、かけあわされたものは同じかたちを保ちますAという数に1をかけてもAAのままであるように何の変化もこうむらないということです。

さて、では同じようにⅡ型の魔方陣に対しても、謎の格子体ミステリアスXYと同じような作用を果たす格子体というのは存在すると思いますか? 

仮に存在しているとしたら、それはどのような姿をしているのでしょうか? 興味のある方はぜひ、コチラの動画(にてご確認ください。

 


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