魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【6次正規相愛魔方陣を探せ!!】

ここに三つの魔方陣を用意しました。

それぞれサイズこそ違えど、じつはこれらは共通の構造を有しています。どういうことか?

 

はい、連結線模様を浮かび上がらせてみることにしましょう。連結線とは二数の和が等しくなる格子数同士をラインで結んだものです。これらに共通するのは中心に対して対称性があるということです。つまり、これらはいずれも90度×n回転させても、上下左右反転させても模様が変化しない、そのような柄を有しています。さて、このような連結線模様は意外というべきか、わたしたちがよく知るプレーン超格子体にも組み込まれています

 

プレーン超格子体とは1から連続する自然数をただ順番にならべただけの格子体ですが、これらもまた二数の和が等しくなる格子数同士をラインで結んでみると同じ模様があらわれることになります。3次のプレーン超格子体を例にたしかめてみることにしましょう。

 

ごらんのとおり中心の5をはさむ二数の和はいずれも10になっています。ちなみに中心数の5は自らと組み合うことにより10(5+5)という数を生成することになります。

さて、では3,4,5次の対称魔方陣の構造を踏まえた上で6次の対称魔方陣について考えてみることにしましょう。6×6のサイズの魔方陣はおよそ180京個存在していると見積もられていますが(正確な数は不明)、この中に対称魔方陣というのはどれくらいの密度で存在しているのでしょうか?

はい、想像するに6次の対称魔方陣の連結線模様はこのようなものになるはずです。もちろん、6次のプレーン超格子体には実際にこの連結線模様が組み込まれています。どうでしょうか? 180京個も魔方陣が存在しているのですから、1京個くらい対称魔方陣が存在していても少しもおかしくはないでしょう。探せばすぐに見つかりそうな気もします。ところがなのです…

結論からいうと、このサイズの世界には対称魔方陣というものは存在していないのです。探すだけムダ足ということになります。これまでわたしたちは正規相愛魔方陣を考察の対象としてきましたが、それらの一部は対称魔方陣の構造をもっていました。もし、このサイズの世界に対称魔方陣が存在していないとすれば、6次正規相愛魔方陣も存在していない可能性は大いにあります

いや、存在していないと断言するのは時期尚早です。6次正規相愛魔方陣が別種の連結線模様を有していることも十分にありうる話です。人力ではこの問題を解決するのは到底ムリでしょう。どなたかプログラミングが得意な方、ぜひとも、このような難題に挑戦していただきたく思います。


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