さて、6次の魔方陣の世界には「完全魔方陣」や「対称魔方陣」といった主役級ともいえる魔方陣が存在していません。
この事実から、わたし自身は6次の正規相愛魔方陣も存在していないのではないかと予想しています。というのも、他のサイズの世界においては対称魔方陣や完全魔方陣の形式を持つものが正規相愛魔方陣となることが多いからです。しかし、まだ断定することはできません。なにしろ、この世界には180京個も魔方陣が存在してるのですから。
とはいうものの、この6次の世界にめぼしい魔方陣がないかというと、けっしてそういうわけでもありません。ここに示した魔方陣は、「たて」「よこ」「ななめ」の総和が111という数で揃いますが、
とくに「ななめ」方向の六数の同士の関係に注目しますと、
ごらんの通り、2乗数総和までも一致していることがたしかめられます。ならば、これは正規相愛魔方陣なのではないか。
いや、そう判断するのははやすぎます。思い出してください。正規相愛魔方陣であるための第二条件。行列積三乗体における構造保存。これをこの目でたしかめるまでは手放しで喜ぶことはできません。残念なことにこの魔方陣を行列積で3乗すると「たて」「よこ」の総和は一致を保ちますが「ななめ」においては総和は異なる数を生成します。そうです。魔方陣構造は崩れ去ってしまっているのです。
よってこれは正規相愛魔方陣ではないということになります。しかし、この魔方陣。わたしにはどうも気にかかるところがあります∙∙∙。どういうことか?
各ラインの2乗数総和を調べてゆく中で気づいたことなのですが、「よこ」方向における2乗数総和は6本のラインでみごとにバラバラの数をつくりだしています。別にどうということのない事実です。ですが、次に「たて」方向を調べてみたところ、
どうでしょう。すべてのラインにおいて2乗数総和はピタリと一致しているではありませんか!?