魔方陣の数学

Welcome to the world of magic squares

【6次半二重魔方陣ともう一つの魔方陣】

これまでわたしたちは、この6次半二重魔方陣を中心に考察をすすめてきました。さて、以前にも述べましたが、この魔方陣は左右対称の連結線模様を有しています

わかりますか? 半二重魔方陣においてこの模様を適用するとラインで結ばれた格子数の総和は、いずれも37という数になることがたしかめらるはずです。では、6次の魔方陣の世界にこのような連結線を持つものはこれが唯一なのか? 

まったくそんなことはありません。ここにもう一つ別の魔方陣を示しましょう。この魔方陣においてもすべての行において左右対称の位置同士にある格子数の総和はいずれも37になっています。探せば、このような例は無数に見つかるにちがいありません(なにせ、6次の魔方陣は1800京個近くもあると言われているのですから)。さて、同タイプの連結線模様を有している二つの魔方陣ですが、たて方向の相愛力構造に大きな差異が見出されます

 

 

はい、従来よりわたしたちがよく知るところの半二重魔方陣についてはその名の通り、たてラインのすべての2乗数総和は一致します。しかし、もう一方の魔方陣については2乗数総和は揃いません。ただし、揃わないといってもたての中心軸に対し左右対称に配置せられている列同士の2乗数総和が一致していることは注目すべきことです。しかし、今回、みなさんにお見せしたいのは、実はそのようなことではありません。いいですか。ここで思い切って、これら二つの魔方陣を行列の積でかけあわせてみたいと思います。

念を押しておきますが、用いる演算は「行列の積となります。それが肝心なのです。では、この積の結果がどうなるのか?

はい、このような積合成体が生成されます。では、次に。

両魔方陣の積において半二重魔方陣の方をぐるりと180度回転させました。そして同じように二つを行列の積でかけあわせます

何が起こったか、わかりますか? 先に得た結果と見比べてみることにしましょう。

 

そうなのです。二つの積合成体はまったく同じもの。このような現象が起こりうるのは、おそらく両者が左右対称連結線を有しているからなのでしょうが、わたしには不思議に思えてなりません。

 


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